患者の意思決定支援と治療意欲の向上に活かす患者とのコミュニケーション技法について 第62回日本リウマチ学会総会ランチョンセミナー38 2018年4月28日

日時:平成30 年4 月28 日
時間:12:10~13:10
会場:第12 会場(東京国際フォーラム ガラス棟 4F 会議室G402)
座長:中原 英子 先生
演者:房間 美恵 先生、原井 宏明 先生
共催:中外製薬株式会社

「動機づけ面接(Motivational Interviewing;以下、MI)」とは、協働的な会話スタイルによって、その人自身がもつ変化への動機づけを強めていく方法である。1980 年代に心理士であるウィリアム・R・ミラー(米国ニューメキシコ大学)ステファン・ロルニック(英国カーディフ大学)により開発された。当初は依存症が対象だったが、その後、他の精神疾患や健康行動、保健行動など様々な領域にも応用されるようになり、エビデンスも蓄積されてきた。近年、リウマチ診療の場にも応用されるようになって効果を上げている。
リウマチ診療のように比較的短期間に新薬が次々に開発されるような領域で、患者に新しい治療法を提案する際にもMIは有効である。効果的な新薬が出たとしても、実際に患者が受け入れなければ意味がない。医療者は患者に対して単に事実を示すだけであったり、“こういう凄い効果があります”“エビデンスはこうです”と専門家の視点から説明したりしがちである。患者が慣れ親しんだ従来の治療を変える決断をするためには患者の立場に立った情報提供が望ましい。ここで役に立つのが戦略的かつ意図的に患者自身から変えようとする気持ちを引き出すMI の技法である。
医療者は最先端にいればいるほど、エキスパートであればあるほど、どうしても新しい最善の治療法を使いたいし、患者は最善の治療に従うのが当然だと考えてしまう。患者がついてこなければ、さらに詳しく教えれば従ってくれるものと思ってしまう。しかし、医療者が教えたいことを教えるという方法は誰にでも役立つ方法ではない。少なくとも最初に情報を提供した時に抵抗を示した患者に対して、さらに情報を提供することは逆効果になる。患者の「知りたい」に合わせていない情報提供は、「知りたくない」を強めてしまうことになる。最終的に医療者側が「この患者は頑固、わからずやだ」と思うようになったら、そこには医療者と患者との間に乗り越えられないような大きなギャップが生じている。
このようなギャップを生まないようにするためにはどうしたらいいのだろう?患者指導が強引な指導ではなく、患者が自ら変化するような誘導になるためにはどうしたらいいのだろう?MIの概要と実臨床の例を取り上げ、MIを行えば患者との会話が堂々巡りにならず、建設的な方向に話をもっていけることもお示ししたい。

スライド配布資料

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