患者体験談

患者が一人称で語る自分の経験談

強迫症や社交不安症、うつ病、双極性障害の患者さんが回復後に書かれた治療体験談をまとめています。

強迫症

3日間集団集中治療を受けた患者さんたちが、OCDの会から出している「とらわれからの自由」1~10に体験談を掲載してくれています。

No.4のP31にある、モエコ(中学生女子)さんの「死ぬ気でエクスポージャー」を紹介しましょう。
子どもっていいな、と思う文章です。恥やてらいがなく、理由づけや言い訳もありません。外から借りてきた大きな言葉を使ったり、飾った表現や喩えを使ったり、文章構成を凝ったりすることもありません。自分が直接経験したことだけを自分の言葉を使って短い文に素直にまとめています。それまでの私は、中学2年生は反抗期だから行動療法は難しいと考えていました。間違っていました。そして私も含めて普通の大人は、子どもは言葉で表現する能力が低いと思っています。いいえ、簡単な言葉で自分の直接体験を素直に語る子どもの文章の方が、格好良い言葉を使い人目を意識している大人の文章よりも、雄弁です。ぜひご自身でお読み下さい。リンクはこちら

全般性不安症とパニック症

不安に悩まされる患者さんに対する認知行動療法の治療の基本はエクスポージャーです。一方、エクスポージャーは逆説的な治療法であり、必要だと頭でわかっていても実際にはできないという、よくある矛盾が生じる治療法です。エクスポージャーを逡巡する患者さんにとって,治療の励みになるのは,医師のアドバイスよりも,先輩の患者さんの記録です。 多くの患者さんにそうした記録をよせていただき,また公開の許可をいただきました。ここに感謝とともに掲載させていただきます。

うつ病

うつはメンタルクリニックを受診する理由の中でもっとも頻度が多いものでしょう。原井の認知行動療法と薬物療法によって改善すると次のように考えるようになります。

一度よくなりかけたとき,また以前のように人の目にどううつっているんだろう、仕事が遅いから悪口を言われているかも、皆に迷惑をかけている・・・・などの感情がおそってきました。一瞬「やっぱり治ってなかったのか・・・・」と思いましたが、以前考えても考えてもどうにもならなかった事や考えすぎて辛かった頃の自分を思い出して「ここから先は考えてもどうしようもないな」こんな私も私だから仕方ないかと心から思えるようになりました。すると心がスッと軽くなって心にも余裕がでてきました。
そして周りの人にも以前より思いやりを持って接することができるようになり、そういう自分を自分で「できるじゃん!」とほめて納得していけるようになりました。前は避けていた事でも、あえてチャレンジするようになり、前向きな気持ちとパニックを正面から受け止めれるようになってきました。

うつが来たら来たとき,来ても別に困らない,というようになります。うつよ,来てください,と思うようになればうつにも悩まされなくなります。

抗うつ薬による薬物療法

2,3割程度の方は薬なしのまま回復する可能性があります。一方、再発を繰り返す方は再発予防目的も含めて抗うつ薬を使うことが望ましいです。一種類の抗うつ薬だけを十分な量を使うことが基本です。

体験談